『ひろぴーさん、利食いがいつまで経ってもうまくできません。』
よくセミナーで僕が質問を受ける項目の一つです。
僕はこの質問を受けるとこう投げ返します。
『押し目買い・戻り売りトレードばかりやってませんか?』と。
今回のお題はこちら、
『押し目買い・戻り売りトレードは利食いが難しくなる?』です。
■まず利食いが簡単なケースを考える。
例えば、上記のようにチャートが動いたとしましょう。
相場がダブルトップを付けるかもしれないチャート形状です。そしてその高値付近で停滞すると、誰もが一度はエントリーに躊躇するでしょう。
・短期的にまず逆張りするか?
・ブレイクアウト後少し戻ったところから押し目買いをするか?
・高値更新前提で今すぐ買ってしまおう!?
例えば、日足では下落局面なのに、1時間足では直近ベースで最高値であるケースで上に抜けた場合どうなるでしょうか?
おそらく、ストップロスを巻き込んで大きく上昇すると思います。かといって確率はそう高くないため、このトレードを決行するには勇気がいります。
ただし、エントリー成功の報酬として含み益だけでなく、もう一つの大きなメリットがあります。
それは利食い難易度は極端に下がるということです。
何故かというと、誰もが手を出したくない局面というのはエントリーしている投資家が極端に少ないため、そこからトレンドが発生すると慌てて買いに回るプレイヤーが断続的に増えるからです。
そうしますと買いが買いを呼ぶ展開になってあっという間にローソク足の陽線が連発されるのです。
実はブレイクアウトトレードのエントリーに成功すると、含み益が非常に伸びやすい=利食いがイージーになりやすいという特徴があります。
では、本題の逆のパターンだったらどうなるでしょうか?
■利食いが苦手という方の典型的例は押し目買い戻り売りのやり過ぎが原因
押し目買い・戻り売りで入ったエントリーポジションは保有時間が長くなりがちです。
エントリー時、非常に安全なことには間違いがありませんが、押し目買いを例にとると、世界中のトレーダー誰がみても押し目買いのチャンスであることは変わりありません。
押し目を形成中の短期的な下落で買えたプレイヤーは、後に全てライバルになります。
彼らはどこかで利食いの『売り』を入れなければならなくなります。
押し目の下落トレンドから上昇トレンドに上手く転換をしたとしても、全員が含み益ですから、上値が重くなるのは当然なわけです。
押し目買いチャンスがあった後の相場は、ブレイクアウト後の上昇トレンドのように陽線を連発させることは稀で、せいぜい実体の短い陽線が続く相場が限界であることが多いです。
むしろ、上髭や下髭の長い陽線と陰線を交互に出現させてとても勢いがあるような相場を演じてくれないのです。
これはどういうことかというと、上昇したとしても、上昇チャネルレンジのような形状を形成したり、含み益が増加するペースも時間を要してしまうケースが多いのです。
投資家は含み益の増減を何度も見ると、早く利食いをしたい衝動にかられます。
ですので、押し目買いで買ったポジションのホールド時間は必然的に長くなりやすいのです。
よって、押し目買い・戻り売りトレード後の陥りやすい傾向は
・不安になりはじめて利食いを早めてしまう傾向が多い。
・誰もが買っているケースですから急落したときは非常に含み益を失う確率が高い。
・逃げ遅れて利食いが失敗しやすい。
・最悪含み益が全てなくなる、もっと悪い場合はマイナストレードで損切りさせられてしまう。
こういったケース発展する可能性が高いわけです。
実は押し目買いや戻り売りはエントリーする際は安全なのですが、エントリー後のトレード難易度は高くなりがちなのですね。
このポイントに気づいていらっしゃらない方はかなり多いと思います。
もちろん上記が全てという訳ではありませんが、利食いの難易度が比較的高くなるんだな、ということを以後ご認識頂ければと思います。
■悔やむ回数を減らそう!後悔がメンタルを弱体化させる。
僕も今でも悔やむことはあります。
ただし、上記の原理がわかっているため、たとえ利食いで失敗したとしても後悔する回数は初心者の方と比べると圧倒的に少ないと思われます。
『あぁ、押し目買いトレードだったし、やっぱり利食いが難しい局面だったよな~・・・っと。』
仕方なかったトレードだと割り切りやすくなるのではないでしょうか。
こういった考え方一つで実はメンタル強化にも繋がりますので、ぜひ意識してみてください。
■まとめ・利食いが下手なわけではない。
また、そもそもメンタルが強くなったか弱くなったかなど、自分ですらわかりにくいですし、推し量る物差しさえも存在しません。
ポジションを持った後のメンタルが弱い、握力が弱いとお嘆きになっている方は特にこのコラムを読み返して頂ければ幸いです。
実はメンタルが弱いわけでもなく、握力がないわけでもないと思います。
押し目買いと戻り売りのし過ぎていただけなのかもしれません。
この記事を読んで肩の力が抜けたら非常にうれしく思います。
是非一度、自分のエントリータイミングやトレードスタイルを見直してみてください。
以上、「押し目買い・戻り売りトレードは利食いが難しくなる?」でした。
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