2016年秋~冬 株式・為替相場展望

  今月で2016年の第3半期も終わりです。2016年の総括相場が間もなくやってきそうな様相です。

今回は今後の秋相場を考察したいと思います。

秋相場と言えば、アノマリー的にはリスクオフ相場です。歴史的にみても、株価が利食いに押されて下落することが多いです。そして4年に一度の米国の大統領選挙の時期の多くは、株価が崩れた実績が多数存在します。

景気の浮き沈みもおおよそ4年~8年のサイクルで成り立ちまので、今年は色々な条件がたくさん重なる年でもあるでしょう。

特に大きなリセッション後は7~8年サイクルが当てはまることが多く、ダウや日経平均もそれが当てはまる年となりそうです。

今回は日経平均をみていきましょう。

 

日経平均先物指数日足チャート

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こちらは日経225の先物チャートです。週足になります。

アベノミクスが始まって以降、非常に大きく上昇をした日経平均ですが、昨年を天井に下落に転じ始めております。

2008年10月に6900円前後を付けた日経平均ですが、その後大きく上昇をして2015年8月には21000円手前まで上昇をしました。

ちょうど株価は3倍になりました。この期間が約7年です。

この一年、じわじわと下落をしました。2015年の夏ごろが天井だと仮定しますと、もう1年間は下落傾向があります。

実体経済自体、景気が悪化した認識は特にない時期なのですが、これから徐々にこの影響が出てくる時期です。

株価は実体経済の値動きを半年~1年ほど先取りしますので、これから発表される本国の指標の悪化が徐々に下落を誘発していくのではないでしょうか。

日経は半年間のレンジ相場。

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こちらは日経平均日足です。

2016年は追加緩和を2度実施しております。(9月15日現在まで。)

年初のマイナス金利導入、そして財政出動を7月に実施しました。

このほかにも、ヘリマネ期待、マイナス金利拡大、など多くの報道もなされておりまして、必死で株価を支える対策が講じられているのですが、結局のところレンジ相場です。

おおよそですが、15000円~17500円のレンジ相場となってしまいました。

おそらくですが、次のどちらかのトライは抜けるはずです。それは意外にも早くやってくるのかもしれません。

現在、ドル円は101円~104円で推移しております。

この記事を書いている現在は、FOMCと日銀の金融政策決定会合を控えた前週に控えた時期なのですが、株価にポジティブな結果になったとしても、いずれは同じ道を歩むと思っております。

長期的な流れは「下」ですので、いずれ15000円をブレイクしていくのではないでしょうか。

チャート上でも実にわかりやすいのですが、日銀が取った戦法は2013年の春から大規模緩和を実施し、資産の買い入れ枠を徐々に増やしてきました。

これに習えで、外国人投資家もこの波に乗って日本に大きく資金を投入してきました。

しかし、2年前の原油安相場が始まり、資本不足に陥った中東諸国のオイルマネーが昨年逃避しました。そして今年の年末~来年春ごろにかけて、欧米のファンド勢も見切りをつけて資本を回収しにくるでしょう。

おそらく、これがトドメになり、最終局面を生み出すのではないでしょうか。

現在の日銀の対策を2013年や2014年に同じ内容で発表をしていたら、株価は上がったでしょう。

2016年現在は外国人投資家の力を借りることが出来ておりませんので、2016年は2度の追加緩和をしたのにも関わらず、レンジ相場になっているのが現状です。これが精一杯なのでしょう。オイルマネーの存在はデカかったかと思います。

黒田日銀は一生懸命、株価が下落をしないように頑張ってくれているのですが、国内の企業がその期待に応える前にリセッションの時期がやってきてしまいそうです。

歴史的にみても、大きく株価が上昇したあと、ある程度の下落をしなかったことはほとんどありません。買われたものは必ず売られます。

それがもう近い未来、実現しそうです。

そのタイミングというのは、アメリカの9月のFOMC、11月の大統領選挙、12月のFOMCの3つのイベントのいずれかではないかと考えております。

今回は日経平均先物で相場の行く先を分析してみました。

次回は、NYダウの下落、急落、暴落の歴史と照らし併せて現在のNYダウ平均チャートを分析したいと思います。

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