人の損切り蜜の味 2話

■誰もが逃げたくなるポイントを狙い撃ちせよ!


■前回の記事:人の損切り蜜の味 1話へ

前回の記事から少し時間が経ってしまいましたが、今回は「人の損切り蜜の味」になるタイミング、ポイントをご紹介したいと思います。

ローソク足をしっかり見ることが非常に重要!


僕は毎月、どこかしら証券会社でセミナーを実施させて頂いております。常にローソク足の見方というものを説明させて頂くことが多いのですが、今日の紹介もその類です。

下記では、人の損切りポイント=値が伸びやすいポイント、とご理解ください。そしてそこの値幅を取りにいくトレードスタイルです。

まずはまっさらなローソク足チャートをご覧いただきます。

ユーロドル4時間足-1
ユーロドルのチャートを表示しました。

こちらは下落トレンド後に反転した形状になっております。

僕は予め、この反転上昇が大きく伸びることを知っていたため、ロングエントリーをしております。

なぜでしょうか(笑)?

それは、まず大きなトレンドがあったか、なかったかを確認すれば、わかるようになってきます。

ユーロドル4時間-2
簡単にトレンドラインを引いてみます。

今回の場合は、下落トレンドがあったことは誰がみても一目瞭然だと思われます。

そしてその中でも、そのトレンドに3回以上のウェーブがあったかを確認することが肝です。 下記のチャートの水色の丸の部分をご覧ください。

ユーロドル4時間-3
この下落トレンドでは、おおよそ3回以上は戻り売りのポイントがあったと思われます。

最初の下落初動で、ピンクの四角で囲った部分は打診売り、安値を割り込んでブレイクしたあたりでようやく本格的な新規売りポジションが入ってきます。ですので、このブレイクアウトの売りがいくつかあったでしょう。

そしてトレンドが発生して最初の戻りあたりでもいくつもショートポジションが作られたと思います。(一番左の水色の丸)

その後2回、合計3回はこの下落トレンド最中に山を形成し、下落をしております。

そして、おおよそ1.0850まで値を下げました。

ここまでは売りプレイヤーは大満足でいるでしょう。

特に戻り売りができた水色で囲ったポイント、おおよそ1.10~1.1050ゾーンでショートを作れたプレイヤーは最大含み益を+150pips~+200pips持てていた時期があったということです。


利益が出ているのに悔しい!!
  と思ってしまう心理を利用しよう。


さて、トレーダーとしてはここからが問題です。

いつ利食いをするか、です。

誰でも迷うと思います。僕も迷います。ボトムで利食いできるプレイヤーはほんのわずかです。

そしてそれもまた、たまたま利食えたプレイヤーが大半でしょう。

大方、利食いに失敗をします。

この利食いを失敗するプレイヤーを利用するのが、ミソです。

今一度、同じチャートです。

ユーロドル4時間-3
利食いに失敗、または尚、トレンドが延長されると信じているプレイヤーがポジションをホールドしているわけです。

ただ、彼らの思惑、思考が違えど、オレンジの丸で囲ったポイント形成後、再びショートを追加してくるでしょう。
またはショートを追加せずとも、この山の上に利食いのストップを含め、ポジションスクエアを考え始めるでしょう。よって、この1.0950前後に逃げポジションを置くわけです。

例えば、1万通貨、1.10~1.1050ゾーンでショートポジションを構築していたとします。

1.0850でMAX含み益が15000円~20000円ぐらいあるのですね。(1ドル100円で計算)

それが1.0930ぐらいまで押し戻されてしまうと、その含み益が7000円~12000円にまで目堀してしまうのです。

トレーダーの心理、MAX含み益をみたあとに、この目堀した利益を眺めると、利益が出ているのにも関わらず、「くやしい!!!」っと感じてしまうのですね。

イライラしてしまうわけです。

このイライラを抑制できなかったプレイヤーがさらに戻り売り追加をいれます。

ただこれ以上、含み益を削るわけにはいかないので、ストップはタイトに置くのですね。

まだ理由があります。

今度はこういった形状をみると、短期プレイヤーもレジスタンスラインをバッグに細かくショート、利食いを繰り返してきます。

こういった短期~中長期プレイヤーも市場に参加するタイミングがあると、しばしレンジ相場が形成されます。

これが下記、水色で囲ったレンジの部分です。

ユーロドル4時間足-4
水色で囲った部分がトレーダーたちのやりとりです。

こういった真横に動く値動きを見ると僕はpositionをひっくり返したり、新規でロングを狙いに行きます。

実際に緑色の点線はここからロングに入りました。

そして、1.1040~50をブレイクして、一気に加速したわけです。

このトレンドの逆行を調整波と僕は呼んでおります。

たくさんのレジスタンスラインやサポートラインはいくらでも引けるのですが、本命の水平線を見抜くことができたらな~っと、誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか?

もし、今回のこのコラムで、少しでも閃きが思い浮かんで頂ければ非常にうれしく思います。

まだこの章を読んでも理解できなかった方は、もう少しFXトレードを繰り返し練習なさった後に、今一度お読み頂けますと幸いです。

 

ローソク足からストップロスの見つけ方・おさらい。


①大きなトレンドがあり、かつそのトレンド最中に3回以上は戻り売り(上昇トレンドなら押し目買い)のタイミングがあったか?

②トレンド終盤局面で、深い戻りがあったか、トレンドラインを横に抜けてきているか?

③順張りプレイヤーが利食いを失敗しつつあり、悔しがっているか、イライラしているか?などを想像します。

これらの条件がなるべく多く揃っており、最終的にどこのラインでトドメを刺されたら逃げ出し始めるかを考えるわけです。

このチャートの場合は1.0950近辺レジスタンスラインが引けるおおよその節目でした。山のちょっと上にストップをセットするからです。

こういった、短期も中長期のプレイヤーも市場に参加しているポイントをみつけ、同時に逃げだしたくなるタイミングを見つけ出すことに精を費やすと、トレードは徐々にうまくなります。

こういった局面を見つけることがうまくなり鍛錬を繰り返しますと、必然的に損切りや利切りが早くなります。

自分が望んでいた展開ではなかったため、多少の損や含み益が出ていても勝負違いだとあきらめがついて次のトレードに実行を移せるようになるからです。

これがまさにダウ理論というわけですね。

相手の損切りを巻き込んでプライスが上昇する、最もなタイミングを狙う力量が身につけば、トレード力が向上するはずです。

今回はこの辺で。次回は3話目になります。

【おすすめ記事】
市場ポジションの傾きを読む。1話
人の損切り蜜の味 1話