やはりと言うべきか、1月に執筆した記事から2ヶ月。
欧州圏までもが物価上昇になってきているようです。
物価上昇というのは各国上昇の兆しを見せると、比較的早いペースで進むのが常です。
これは歴史が証明をしております。
各国、どこの国も金融政策に四苦八苦した経験を持っております。
ここ何年も世界的なデフレ体質に見舞われましたが、米国がインフレ経済に舵を切り始めました。本丸がそういった舵を切るとやはり世界的にその方向に向かう傾向があります。
上記のリンク先は2ヶ月以上前に書いたコラムですが、あれから予測していたとおり、徐々にインフレ率が上昇しました。
いわゆる、欧州圏も通貨高の政策を多少取らざる得ないかもしれません。
データを紹介したいと思います。
ユーロ圏全体の消費者物価指数
欧州圏のCPIです。
ついにインフレ率が2%に到達しました。
これは先進国各国が利上げ水準の一定の目処としているポイントです。
この数値が数ヶ月間安定するならば、利上げをするのが基本的な中銀のスタイルです。
ご存知、日銀もインフレ率2%を目指しておりますが、到底行き着く様相がありません・・・。
しかしながら、あれだけ悪い悪いと言われているヨーローパ経済ですら、この領域に達しました。
間もなく、ギリシャショック前の水準に差し掛かります。
ここまでインフレ率が上昇しているのにも関わらず、マイナス金利政策を続けるのには、疑問が浮かびます。
QEもECBが2017年度末まで継続予定ですが、どこかで一回利上げをしなければ、欧州圏全体のインフレ率が上昇してしまい、悪いインフレ経済に陥る可能性が高まります。
個人的な感想ですが、おそらくですが、資産買い入れ枠を現在の600億ユーロから更に減額をしつつ、2017年末までに継続か、政策金利をゼロ金利政策に戻すか、どちらかになるのではないかと思います。
おそらくこれは2017年の夏〜秋頃までには一度実施されるような気もしております。
少なくともこの現状を維持していると、今年の夏頃までにインフレ率は2.5%以上にまで到達するように感じられます。
それぐらい、インフレの加速というものは早いですから、注目でしょう。
ユーロ買い相場が近々来るように思えます。
■欧州圏2割強を占めるドイツ経済
■出所:トレーダーズ・ウェブFX ドイツCPI資料
変わってEUを牽引するドイツのCPIです。(欧州圏のGDPはドイツが2割強、フランスが15%程度を占めます。)
2.2%にまで到達しており、ここ10年近くの高値圏にまで推移をしてきました。
さすがにここまで来ると、ドイツ中銀やメルケル首相までユーロ安の懸念を示します。
ユーロ安に不満を持ち始めたドイツですので、2017年3月現在では、米国のドル高不満とドイツのユーロ安不満は一致してます。
ユーロドルはある程度上昇の余地を残しているのでしょうか。
経済のバランスを考慮しますと、EUは少しだけ緩和のペースを減速させなければいけない状況に、徐々に追い込まれているように思えます。
一気にユーロ買いに傾くわけではありませんが、多少のプライス是正が行われる必要があるように思えます。
ユーロドルは1.05〜1.10のレンジに移行しつつ、米ドルの利上げ計画が頓挫してしまうタイミングでは近々1.10〜1.15程度にまで上値を伸ばすタイミングがあるのではないでしょうか。
それは2017年の中盤から2018年の前半ぐらいのむこう1年の間に起こりうるような気がしております。
引き続き、ユーロドルをはじめ、ユーロクロスに注目です。