ポケモンGO成功の秘密を分析

皆さんこんにちは、くみちょーです。

ポケットモンスターって、やったことありますか?ポケモンはコジマが小学生の時に発売されたので、レッドとグリーンの時代から遊んできました。大人になってポケモンGOがリリースされたときには、投資はそっちのけでポケモンを探し回るくらいに熱中していました。

このポケモンGO、実は世界で最も流行が早く広まったコンテンツなのです。

今回は、ヒットの要因を分析。マーケティング戦略や、ヒットの法則。6つの成功要因があることが分かりました。

マーケティングに興味がある方は、最後まで御覧いただければと思います。

それでは、いってみましょう!

 

ポケモンGOとは?

ポケモンGOとは、現実世界のマップ上に出現するポケモンを捕まえたり、育てたりできるスマホゲームです。位置情報を活用しているため、現実でのユーザーの動きが、そのままゲームにも反映されるという特徴があります。

2016年7月にリリースされた後は、わずか6日間でApp storeのダウンロード数で1位となりました。ポケモンGOのユーザー数は、たったの19日で5000万人を到達しています。

出所:https://steemit.com/steemit/@johnnywingston/how-long-does-it-take-steemit-to-hit-50-000-000-users–1502430927-1670258

5000万人というユーザー数に達するまでは、通常であればもっと時間がかかるもの。例えば、ツイッターは2年、フェイ7スブックは3年、ユーチューブは4年かかっています。無料サービスとはいえ、ゲームアプリであるポケモンGOの普及スピードは、異次元だったことが分かります。

リリースしてから4年以上経った2020年でも人気は根強く、2020年10月時点でもApp storeランキングで8位となっています。

●ポケモンGOの影響

ポケモンGOは、社会に大きな影響を与えました。

ポケモンを求めて駅や公園、観光地などにいつもの何倍もの人が集まる様子が見られました。休日の公園ともなれば、日中でも深夜でも関係なくポケモンを探したり対戦を行う人で混み合っていたほどです。東京、世田谷公園には、深夜0時を回っても1000人以上のユーザーがいたそうです。なかにはスマホを片手に警察まで行き「留置所の中にポケモンがいるので入れてください」と頼んだ人もいるようです(笑)

またポケモンGOは、観光業にも大きな影響を与えています。

例えば東日本大震災の被災地となった宮城・岩手・福島県では、ポケモンGOとコラボしてポケストップやポケモンジムの設置などを行い、観光客の誘致を計りました。

京都では、観光地にレアなポケモンが出現するような取り組みを行ってきました。京都水族館にギャラドスが出現したり、円山公園にミニリュウが出現したりと、レアポケモンを求めて多くの観光客が訪れたようです。

この社会現象は、株式市場にも大きな影響が出ました。

ポケモンGOは任天堂が開発したアプリではないのですが、任天堂の株価は一時ストップ高に。1日の売買代金はたった1銘柄で7000億円を超えました。これは、国内市場で1日の最大売買代金ではないでしょうか。東証1部の売買代金は2兆円程度。

また、関連銘柄である、DeNA・第一パンの株価も高騰しました。これらの現象は、投資家の間では「ポケモノミクス」と呼ばれました。

●成功要因 

なぜポケモンGOはこれほどまでに成功し、社会に強い影響を与えたのでしょうか。

成功した6つの要因を紹介します。

①分かりやすさ

ポケモンGOは、外に出てポケモンを捕まえ、育てるというシンプルなゲームです。ポケモンを知らない人にとっても、分かりやすい設計となっています。

基本的にポケモンを捕まえて育てたり戦わせるいった流れ変わりません。そのため、大人から子供、ゲームが苦手な人であっても楽しめるのです。ポケモンを捕まえるのに、バトルをさせてヒットポイントを削ってからモンスターボールを投げるという、従来のポケモンの捕獲方法を省いたのです。

どんな商品やサービスでも、マーケティング戦略において「わかりやすさ」と「使いやすさ」は重要なポイントですよね!

②懐かしさ

ポケモンのゲームが初めて販売開始したのは1996年。当時はポケモンの数がまだ151匹だった頃です。初代からゲームをプレイしていた人にとって、このポケモンGOは、とても懐かしいものだったのではないでしょうか。

ポケモンGOのリリース時に、出現するポケモンの数は151匹。これは、ゲームの初代である「赤・青・緑」バージョンと同じでした。

このように、昔ポケモンのゲームをプレイしていた人が、昔に遊んだ懐かしい記憶を想起され、ポケモンGOを楽しんでいるのではないでしょうか。

ビジネスの世界では、これを「ノスタルジーマーケティング」と呼びます。過去の懐かしい思い出を思い出すと、購買意欲が沸き起こるのだそうです。

③新鮮さ

ユーザーを飽きさせないようにするために、ポケモンGOでは新機能が追加されてきました。このアップデートも、人気を継続する理由のひとつでしょう。

例えば、めったに出現しない「色違いのポケモン」や、自分の好きなポケモンと一緒にマップ上を歩き回れる「相棒ポケモン」。

他のプレイヤーと一緒に協力してボスポケモンと戦う「レイドバトル」などの機能も追加されています。

また、季節に季節にちなんだイベントも開催されており、「あきのすがた」をしたポケモンが出てきたり、ゲーム内で使用するアイテムである「きのみ」のボーナスが出たりするなど、様々な新要素が追加されてきました。

④新しさ

ポケモンGOは、他のスマホゲームとは明らかに異なる要素があります。それは、ゲームでのユーザーの動きが、実際に現実世界でも繰り広げられるという点です。

例えば、日比谷公園で珍しいポケモンが出現すると知らされたユーザーは、実際に外に出て日比谷公園まで向かい、ポケモンを捕まえに行きます。

また、別の場所でレイドバトルが開催されれば、ユーザーはその場所まで行き、他のユーザーと協力してボスポケモンと戦います。

このようにポケモンGOでは、ゲーム内での行動が現実世界の動きと関係してくるのです。位置情報を活用し、ゲームの世界は画面の中だけではないという、今までにない新しいマーケットをつくり出しました。

これにより、この地域でピカチュウが出た!などのポケモン出没情報や獲得情報をSNSで発信する人が急増!大規模な宣伝をしなくても、ユーザーによる口コミと発信や、公園やポケストップに集まる大勢の人の様子をメディアが放送したりと、ポケモンGOが自動的に宣伝される要素がたくさんあったのです。

⑤認知度の高さ

ポケモンGOに関わった企業の認知度の高さも、成功の要因と言えるでしょう。

リリースには、株式会社ポケモン・任天堂・ナイアンティックの3社が関わっていました。

まず株式会社ポケモンは、開発や運営協力、キャラクターの利用許諾などをしています。

任天堂は、ポケモンGOの周辺機器である「Pokémon GO Plus」の開発と販売。

ナイアンティック社が、アプリの開発・運営・配信などを手がけました。

このナイアンティック社はアメリカの企業で、位置情報ゲームや位置情報アプリを制作しています。もともとはグーグル社内のスタートアップとして創られましたが、2015年にグーグルから独立しています。

このようにポケモンGOの製作には、知名度の高い企業が関わっています。

⑥タイミング

もし、ポケモンGOのリリースが冬であれば、これほどの盛り上がりは起きなかったのかもしれません。だって、寒い中ポケモンを捕まえに行く人は熱狂的なユーザーでなければ難しいでしょう。

ポケモンGOのリリースは7月でした。これは、大半のユーザーがいる北米や日本、ヨーロッパでは初夏にあたります。また、子どもたちにとっては夏休み前になります。ポケモンGOが流行って、クラスの多くがユーザーとなった後に夏休みに入れば、遊び方も変わってきますよね。

もし、これが4月であれば、夏休み前に飽きてしまう人もいるかもしれません。

また、アメリカで先にリリースを行い話題性を日本に持ってくることにより、メディアによる広告戦略も意識したのではないでしょうか。

あの社会現象の裏には、絶妙に考えられた配信開始のタイミングがあったのです。

ポケモンGO独自のビジネスモデル

ポケモンGOは、配信開始から200日で、ゲーム内課金が10億ドル(約1,110億円)を超えました。

基本的に課金せずに遊べるゲームが、なぜこれほどまでに収益を生んでいるのでしょうか。それは、他のゲームとは異なる収益方法を取っているからです。

従来のスマートフォン向けゲームは、有料ガチャなどの課金モデルでした。

ユーザーはアプリ内で課金することで、ゲーム内で使用できるアイテムを手に入れられます。一方で、アイテムの希少性が高ければ高いほど、出現する確率も低くなります。

ポケモンGOにも課金により手に入るアイテムはありますが、値段は一定です。

ポケモンGOの主な収益源は、ポケストップになった企業などから受け取るスポンサー料です。ポケストップになったお店には、ユーザーが集まるので、高い集客効果が期待できます。

例えばマクドナルドは、ポケモンGO(ナイアンティック社)とスポンサー契約を行い、約2900店舗をポケストップにし、大きな経済効果を生み出したとのことです。

この独自の収益化方法は、ポケモンGOの大きな成功要因ではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

FX歴2009年~、株歴2015年~。その他、CFD、商品、オプション、仮想通貨まで幅広く取引しています。金融メディア勤務で数多くの個人投資家ネットワークに参加。機関投資家から億トレまで、多くの投資家から得た知識を展開していきます。