今月19日、フィッチがトルコを格下げする可能性が高まってきました。
先月のトルコクーデター未遂事件をきっかけにS&Pが既に格下げをしており、「BBB-」⇒「BB+」に変更をしております。
おそらく、フィッチも格下げをしてくるでしょう。市場はある程度事前にある程度織り込み済みだと思いますが、トルコ経済情勢は未だ先行きが不透明です。
内内の事件があるごとに格下げされていくのではないでしょうか。
ムーディーズの発表は、クーデターがあったことにより、発表を控え、予定では2か月後の9月の下旬で予定されているようです。
クーデター首謀者 ギュレン師
クーデター未遂事件から1か月。
エルドアン大統領が非常事態宣言を発し、トルコ国内の大統領権限が拡大されました。
その期間はおよそ3か月。(10月20日までです。)
憲法改正など、議会承認を得ずに大統領の独断のみで法律の施行や国民の権利制限が可能になります。
7月21日からこの非常事態宣言が発動されましたので発動後に、軍人や警察官、裁判官、高官職の公務員など、およそ8万人を大統領権限で拘束してしまったそうです。
おそらく疑いの余地があるものは徹底的に拘束したのでしょう。
非常に恐ろしい法律です。この横行がどこまで国民に影響を与えるかは、今後数か月以内には出てくるでしょう。
そして、問題はギュレン師です。
アメリカ国籍を持つギュレン師ですので、アメリカがトルコに対して身柄の引き渡しを繰り返し要求しているようです。
現在のトルコが選択に迫られていることは、4つ。
1.EUに仲間入りする条件は、エルドアン大統領の強権政治を諦めなければならないこと。
2.ギュレン師をアメリカに引き渡さなければならない。
3.難民をEUに次々に送りこんでいる。IS地域と間隣り。(難民の受け入れ対策など。)
4.ロシアとの関係改善が意外にも回復してきている。(欧米を取るか、ロシアを取るか。)
EUや米国との関係は良好でして、NATO加盟国なのですが、ここ1年でかなり悪化してきております。
そしてロシアの戦闘機を迎撃してしまったがため、つい先日までロシアとの関係も最悪でしたが、結局書簡でお詫びをしたようで、ロシアもこれを前向きに受け止めたようです。
よって、ロシアのプーチン大統領は今月9日に会談でトルコ・ストリームと呼ばれる天然ガスパイプラインの建設と貿易を計画し、協議が合意された模様です。
これにより、トルコを通じれば、南欧諸国までにパイプラインが繋がりますので経済的には多くの恩恵が相互に渡るでしょう。
最近の流れはこのようになっております。
よって、トルコはロシア側と手を組み、今後はEU・米国対して、ロシア・トルコ・(中国?)のような構図が出来あがってくるのではないでしょうか。
そうなりますと、おそらくフィッチやムーディーズの格下げはさらに拡大してくると思います。
格下げされますと、さらにトルコは悪いインフレになってきそうです。
トルコ格下げ必死の今後
上記の通り、トルコ国の経済情勢は本当に厳しい状況に陥ってきました。
マネースクウェア・ジャパンの記事によると、現在、トルコ国の政府・官僚は格付け引き下げを阻止するために躍起になって欧州各国に根回しをしているようです。
ですが、おそらく今更でしょうから、これらの活動は無意味に終わるのではないでしょうか。
今後、トルコはロシアとの関係を深めていくことになると思います。
トルコがNATOを抜けることとなれば、NATOからしても軍事力の激減は必至です。(トルコはNATO加盟国で軍事力が2番目のため。)
ロシアからしてもトルコを代理戦争に使うことができれば、それは強大なパートナーとなるに間違いはないはずです。
いずれにせよ、トルコリラ円を買い持ちする政治情勢でもありませんので、そろそろトルコリラ円の中期ショートポジションを構築しようと考えております。
トルコリラ円暴落のシナリオをまとめてみました。
トルコの8大リスク!?
1.トルコとロシアがより密接な関係を築き、欧米諸国とさらに距離を置き始める。この行動から容赦なく間接的な経済制裁が課され始める。(トルコ格付けをどんどん下げられる。)
2.トルコリラ建て債券などが世界中に多く出回っており、これらの格付けが下がることにより債券価格なども暴落をする。
3.トルコからの資本流出は多大になる。
4.IS地域と隣同士のため、地政学リスクが最悪。
5.エルドアン大統領が強権すぎるため、昨年の総選挙のように、支持率が落ちて国内政治不安が再度高まる。
6.トルコリラの価値は低迷を続け、この金利水準ではおそらく経済体力が持たない。
7.2000年代前半、トルコ国はデノミを経験して奇跡の復活を遂げている。もしかしたら、エルドアン大統領の中ではいざとなればもう一度デノミを実施して経済を再生させれば問題ないと思っているのではないか。
8.ミセスワタナベのトルコリラ円ロングが市場に2000本以上も残っているという噂
いずれにしても、トルコリラを売る材料しか揃っておらず、これはこれは非常に危険なファンダメンタルズが大集合しております。
そして、現在、8番の我ら日本人のトルコリラ円ロングポジションが恐ろしい数揃っております。昨年の南アフリカ・ランドの急落の比ではないと思われます。
トルコリラ円のショートやドルトルコのロングにはマイナススワップ金利が大きいため、トレードする際には多少勇気が必要ですが、当たれば膨大な利益として帰ってくるのは間違いないのではないでしょうか。
個人的には秋~冬にやってくるであろうリスクオフ相場のタイミングも兼ねて、トルコリラ円のショートを再度入ろうかと思っております。よって、半年ぐらいはキープする気持ちでトレードに臨まなければなりません。
マネースクウェア・ジャパン
トルコリラマイナススワップは業界最小水準!?
マネースクウェア・ジャパンのトルコリラ円のスワップ表です。
実は、なぜかマネースクエアジャパンだけ、トルコリラ円の1万通貨あたりのスワップが低いものの、逆にマイナススワップも同じ額低く抑えられております。
(●通常、よくスワップ競争をしている他社の場合は、トルコリラ円の1万通貨ロングで110円~125円という表記が多く、マイナススワップは-120~-140円であることが多い。)
よって、中長期口座で仕込むには、マネースクウェア・ジャパン口座でトルコリラ円をショートがモッテコイです。
あまり言いたくはなかったのですが、これならクリック365やヒロセ通商で1万通貨ロングして+スワップを115円~125円獲得しつつ、マネースクウェア・ジャパンで1万通貨ショートしてヘッジしていれば、全くのノーリスクで毎日60円前後獲得できるんですけどね^p^;
1万通貨あたりの証拠金も2万円ですし、あとは急落急騰の時に多めの資金を常に供給していれば世界一安全なスワップ運用がぶっちゃけできるのですw
いずれにしても、これらのトルコ情勢を踏まえてトルコリラ安に賭けたトレードをされる場合は、こちらのマネースクウェア・ジャパン口座が最も有利に働くことも付け加えておきます。