貿易戦争勃発で荒れるマーケット!ユーロドルは1.15割れ?

貿易戦争に拍車が掛かっていますが、株式・為替相場は堅調。

ドル円の値動きが乏しいながらもしっかりと110円を維持しています。

ボリンジャーバンドを見ると、そろそろ大きく動きそうですね。

◇ドル円日足チャート
出所:GMOクリック証券

次の相場はどこに向かうのか。。

そのヒントとして、筆者が約3年間取り続けている元ゴールドマンサックスの志摩力男氏のメルマガから直近の内容を久しぶりに要約して公開しつつ、メルマガの紹介をしたいと思います。

志摩力男氏の相場分析

では、直近3週間ほどの同氏のメルマガから筆者が気になった内容を一部抜粋&要約してみていきましょう。

主な対象通貨ペアはユーロドルです。

ユーロドルはしばらく買われない?

配信日 6/18 20:13

ECB理事会で量的緩和政策を10月以降150億ユーロに減額し、年内終結を決めましたが、同時に2019年夏の終わりまで政策金利を変更しないという、新たな「フォワード・ガイダンス」を加えました。当初は、量的緩和政策終了を打ち出すのが7月と想定されていたのが、一月早まったので、1.1851までユーロは買い上げられましたが、新しいフォワード・ガイダンスの効果が上回ると判断され、ユーロドルは1.1564へと287ポイントも下落したのでした。

このユーロの下落を「過剰反応」「理解できない」という見解が多く見受けられますが、ここまで大きく反応したの訳は、事前に市場がユーロロングに傾いていたからだと思います。ドラギ総裁に近いハト派のプラート理事が量的緩和政策終了を示唆したため、先週の理事会で政策が変更されるなら、ユーロは大幅に上昇すると見込んだ筋のロングが積み上がったのでしょう。また、欧州は情報が漏れやすいところでもあるので、何らかのインサイダー的な情報が出回ったのかもしれません。

そして、本当に見込み通りに量的緩和政策は終了しましたが、新しいフォワード・ガイダンスが付いてました。これが想定外で、驚きだったのでしょう。それまで市場は2019年6月利上げを6-70%の確率で織り込んでましたが、この新ガイダンスで20%台へと急落してます。それでも、市場は過度に利上げを織り込んでいたわけでもないので、この程度の変更で300ポイント近くユーロが下落するのは解せないという意見も確かにあります。

しかし、政策変更が向こう1年以上無いと約束したことに意味があります。これまで経済指標の発表に一喜一憂してましたが、これが変わってきます。良い数字でも悪くても、どうせ政策は変わらないのです。来年夏までFRBは3-4回利上げしますが、ECBはゼロと決まりました。ユーロを買う理由が急速に失せました。トレーダーの頭の中は、既に2019年夏に飛んで行ってしまっているのです。

ー中略ー

なるほど、ユーロの利上げは見えたものの、時期的には1年間と遠い状況。それまでにアメリカは何度も利上げをするので、当然買うべき通貨は米ドルだという分かり易い解説がなされています。

このメルマガの最後には『恐らくユーロドルも今後2019年まで利上げなしを織り込みに行って、その後反動高というコースがありそうです。』と締めくくられていました。

◇ユーロドル日足チャート
出所:GMOクリック証券

人民元の下落は続く

配信日 6/26 13:01

人民元は7.0へ
中国が金融緩和に舵を切り、人民元が軟化してます。上海株が軟調であることも人民元軟化の背景の一つですが、投資資金をなんとかして回収しようとする動きがあらゆる新興市場に起こってます。個人的には、オフショア人民元(CNH)は対ドルで7.0を目指す動きになり、上海株は2600を割り込みちょっとまずい感じになりそうに見えます。

今年の夏は暑くなりそうです。米中間選挙を控えており、トランプ大統領に敗北してもらいたい勢力というのが国の内外にいます。株価が下落が米共和党・トランプ敗北に最も近い道筋なので、それを期待している、起こって欲しいと願っている勢力があるようです(もちろん、必ず起こると言っているわけではありません)。しかし、8月9月は例年マーケットの変調が起こりやすいので、今年は深くなりそうな”芽”があります。

夏に向けて、真正リスクオフの展開が予想されなくありません。最も良いのが豪ドル円のショートかなと思ってます。

ユーロドルに関しては1.15-1.20レンジに入りそうです。1.15はさすがに硬かったですね。またIMMを見るとかなりポジション調整が進みました。また、トランプ政権はユーロ安を望んではいません。安すぎると考えてます。金融政策のファンダメンタルズ面を考えるとユーロ安なのですが、少し時間がかかりそうです。

ドル円ですが、長い間動きらしい動きが無かったのですが、夏に向けて「円高」リスクが高まっている様に思われます。

ここでは主要通貨の中期的なポジショニングが語られました。

ドル円は円高方向。
ユーロドルはレンジ。
豪ドル円は下落となっています。

YEN蔵さんが人民元と相関関係があるのは豪ドルよりもNZドルだと発信しており、筆者は今週NZドルの買いで利益を出すことができました。

◇NZドル円1時間足チャート
出所:GMOクリック証券

ひとりの意見に偏るのは良くないので、メルマガは2種類以上取ることをオススメします。
※ちなみに、筆者は、西原さん、志摩さん、YEN蔵さん、バカラ村さん、江守さんの5つも取っています(‘Д’)

貿易戦争について

配信日 6/29 22:41

ポイントは貿易問題でしょう。特に7月6日には対中制裁で実際に関税が引き上げられるかどうか見ものです。本当に引き上げられた場合、インパクトは大きいでしょう。このところのトランプ政権の動きは誰に実権があるのかさっぱりわからないのですが(結局トランプ氏のみが重要?)、ここまで大風呂敷を広げたのですから、何もせずに中国と妥協ということはないと思います。そして、中国は米国の圧力に対し、こっそりと人民元を低め誘導し、関税引き上げのインパクトを実質的に回避するのが続くのでしょう。
ただ、中国の対米投資に対してトランプ氏が「最高レベルの制裁はしない」と言明したことはびっくりでした。やはり単なる中間選挙対策なのかもしれません。

マーケットは静かですが、結局貿易問題が最大の関心事になるでしょう。ただ、トランプ大統領の「変心」から状況が変わる可能性は高いと言えます。

ー中略ー

ユーロドルは、来週どこかの時点で1.1500をテストするものと思いますが、7月6日に実際に対中関税が実施されるかどうかもポイントでしょう。その場合、やはり市場はリスクオフに傾くと思います。

ここは配信内容に関してのおさらいです。

貿易問題に関して中国の関税が引き上げられ、直ぐに中国もこれに応じて報復に出ました。

マーケットは日経平均が100円ほど急落した後は直ぐにリバウンドし当日高値をわずかに更新。欧州株、米国株も堅調な値動きとなりました。しかし、ドル円は横ばいとなりユーロドルは50ポイントほどの上昇。若干のドル売りが見られました。リスクオフに傾くのか?という意味では、とても微妙な雰囲気で判断しづらいマーケット状況のように思えます。

配信日 7/02 20:14

リスクオフの円高は終わったのか?

ドル円はほとんど反応がありません。むしろ、堅調です。貿易問題が相場のメインテーマであれば、先週もっと円高方向に行ってもおかしくなかったはずです。「リスクオフの円高」に翳りが見えてきています。実際、投機筋のドル円ロングはそれほどないので、リスクオフになったとしても、解消すべきドル円ロングが見当たりません。むしろ、機械的に「リスクオフ=円高」の理屈でドル円をショートした人が損切りを迫られてます。最近は、その連続とも言えます。

相場が変わってきている可能性があると感じます。このドル円を支えるのは何か?米国経済に魅力を感じ、投資するM&A等のフローかも知れません。新聞紙上を見ても、大きなものは武田以来ないですが、小さなM&Aは散発してます。トランプ減税のインパクトは大きく、新規事業をするなら米国、こんな潮流があるように感じます。また、金利に魅力を感じている投資フローもあるでしょう。

ここでドル円が以上に堅調な推移をしていることに関して、需給が抜群だということに触れています。2017年3-4月もM&Aのドル需要が相場を支えましたが、今年もこういった背景があるようです。しかも、今回は人民元売り米ドル買いというフローも考えられそうです。

しかし、急騰する値動きもないことから、買いは実需、売りは投機という流れでしょうか。

ボリンジャーバンドがいよいよ縮小してきているドル円がいつ大きく動き始めるのか。

このチャンスを捉えるためにも、日々の良質な情報が重要ではないでしょうか。

筆者としては、志摩さんとYEN蔵さんのメルマガをセットで購読することをオススメします。

10日間無料で読むこともできますので、まずはお試し購読をしてみて下さいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

FX歴2009年~、株歴2015年~。その他、CFD、商品、オプション、仮想通貨まで幅広く取引しています。金融メディア勤務で数多くの個人投資家ネットワークに参加。機関投資家から億トレまで、多くの投資家から得た知識を展開していきます。