FXトレードをやっていると、年に何度かドル円が上昇しているのに、日経平均が下がっている。
米国長期金利が上昇しているので、ドル円が上昇をしている、という言葉を耳にしたりすることがあります。
こういったいつもの相場と少し違うのに、ドル円の上下に理解や納得できない期間というのが少なからずあります。
その多くは、米国の長期国債か日本の長期国債が原因であることがあります。
ここでイマイチ意味がわからない!っという方のために、まとめ記事を書いておこうかと思います。
米国長期国債と米国長期金利は何が違うの?
長期国債と長期金利の数字や区別に僕も当初は時間がかかりました。
複雑ではなくて、真逆の動きをするからです(笑)
簡単に短く説明しましょう。
長期国債と長期金利と表現されるのはまず同じものだと思ってください。
そして、米国長期国債というものは、米国10年国債のことを一般的に指していることが多いです。
ですので、米国長期国債というワードを見つけたり、耳にしたら、10年債券のことだと覚えておきましょう!
日本の国債でも米国の国債でも、金利がつきます。
しかし、『通貨』の金利と違うところは、国債の場合、国が発行し、決まった予算内で決まった金利分の資金が当初から決まっていることです。
よって、当初から支払う金利の累計が決まってしまっているということは、国債の買い手が集まり、価格が高くなれば、それらの債券の価値が上がっても、支払い利率が下がってしまうのです。
最初から支払う金利の総額が決まっているから、なのですね。
よって、国債の価格上昇=金利の下落の意味はイコールになります。
国債と利回りの関係
単純ですが、もう少し詳しくみていきましょう。
アメリカが100ドルの国債100枚を発行して、金利5%と定めたとします。
100ドル×100枚×金利5%(年利)分の発行額、
その提供する金利分の10000ドルの5%=500ドルを用意をしなければなりません。
国債を10000ドル発行し、投資家に購入してもらった1年後には累計で500ドル分の利子を払う仕組みです。
しかし、売買が活発化し、国債価格は110ドルになりました。100枚発行してます。でも金利支払い額は当初の5%分(500ドル分)の金額しか用意されてません。
ですので、110ドル×100=11000ドルに対して500ドルの金利が付きますので、利率は500ドル÷11000ドル=0.04545・・・
利子は約4.5%となるわけです。目堀りする仕組みになります。
よって、この仕組みにより、米国長期国債の価格が上昇すると、米国の長期金利が下落する、という関係が成立するのですね。
ですから、
長期国債価格上昇=長期金利下落と覚えておいてください。
または長期国債価格下落=長期金利の上昇、です。
なんとなく、理解出来てきましたでしょうか?
長期金利の下落はデフレ要因
長期金利が下落すれば、経済がデフレーションになりやすい傾向があります。
ですので、その国の通貨を利下げしなければなりません。
よって、米ドルの長期国債が買われる=長期金利が下落する=米ドル利下げという思惑が働きます。
この値動きには注意です。
マーケットが債券相場主導になっていると株価指数よりもこちら優先にバイアスがかかりやすいので、逆転現象が起こりやすいです。
これがFXや株初心者を混乱させる要因の一つですね。
では、この記事を書いている2016年11月末現在ではどうでしょうか。
米国長期金利が上昇、っということは?
もう皆さんならお判りでしょう。
米国の長期金利が上昇=米国債が下落している。長期金利が上昇しているのでインフレ傾向になりやすい経済環境です。
よって、米ドルの利上げが意識されるようになります。
ですので、ドル円が上昇要因となります。
長期金利の上昇ペースが早すぎると、次の次の利上げまで想定した動きにもなりやすいので、思った以上に通貨高を招きやすくなります。
これも見据えて投資判断をしていかなければなりませんので、ならばこの場合、通貨を買うのか、株式を買うのか、判断できるようになって頂ければと思います。
以上、今回は、長期国債と長期金利の関係についてお話しました。日本の国債も同じ原理ですので、この点もお忘れなくお願いしますね!
長期金利の上昇=長期国債の下落 です。
長期金利の下落=長期国債の上昇 です。
今一度覚えておきましょう!