今日は簡単にトランプ大統領の100日行動計画について箇条書きにしておきます。
意外とマイナス的要素を持つ政策、大統領令は出し切ったかもしれません。
相場に影響するもの中心に書き出しております。
投資家に必要な情報は色付けし、大統領令署名済みは青、
まだこれから2ヶ月以内に署名されるであろうポジティブなものは赤字、マイナス要素があるものは橙色になってます。
■【ワシントンの腐敗した政治一掃の6つの対策】
こちらの項目はほぼ割愛。政治家絡みの既得権益を撤廃する内容中心です。
連邦議員の任期の制限をしたり、ロビー活動禁止、外国人ロビイストが米国内選挙への資金集めを禁じるなど。
■【アメリカ労働者を守る7つの行動】
1.NAFTAの再交渉 → 署名済み
2.TPP離脱表明 → 署名済み
3.財務長官に中国を為替操作国として認定するよう指示 → 近々?ムニューチン氏次第。 実施ならばリスクオフ?
4.米国労働者が不利になるような貿易協定をすべて特定して改善、または米国の法律、国際法にもとづき是正するよう、商務長官とアメリカ通商に支持する。
5.50兆ドル相当の雇用を生みだせるよう、米国エネルギー資源の生産における規制撤廃を実施する。(シェールオイル・ガス・天然ガス・石炭など。主にオールドエコノミー業界中心。)
6.カナダからテキサス、メキシコまでつなぐキーストンパイプライン、エネルギーインフラ計画を再始動する。 → 署名済み。
7.国連気候変動対策への出資を取りやめて、その浮いたお金で国内に投資する。インラフ整備に使う。
■【地域の安全を回復、憲法の定める法の支配を取り戻すために5つの行動】
米国国内に関する内容が中心のため、大幅割愛。2つだけ紹介。
1.犯罪歴のある200万人以上の不法移民の強制送還を実施。受け入れ拒否する国にはビザ発給を停止する。
2.テロ多発傾向のある国々、及び入出国審査が適切に行われていない国の人々の入国を禁止する。(一時的) 移民希望者に対するアメリカへの入国審査は、非常に厳格に実施する。
→実施済み?先日のイスラム国に関連する国籍7カ国の人々の入国を規制するなど。
■【中間層への減税と税制簡素化法】
経済成長率年率4%を目指し、2500万人の雇用創出するために経済計画を実施する。
大幅減税と税制の簡素化、通商政策の見直し、規制緩和、エネルギー規制撤廃など。
減税は中間層以下の民衆向けに実施。子供が2人以上いる中間所得世帯には35%ほどの減税を実施。
法人税率も35%→15%に引き下げる。
海外に在籍している米国企業の資本を米国に戻す。その際に税率10%で還流できるようにする。
■【企業の海外移転防止法】
企業が海外移転を目的に、米国労働者を解雇することを阻止するために関税を課す。(国境税のことかな?)
その企業の製品を非課税で米国に返還させる。(ここの意味はちょっとわからないです・・・。誰か教えてくださいw)
■【アメリカのエネルギーと基盤整備事業法】
官民パートナーシップと税の優遇措置を通じて民間投資する。
10年間にわたり1兆ドルの基盤整備への投資を行う。
■【学校選択と教育機会法】
米国内向けの未成年向け、教育プログラム関連のため、割愛。大学の授業料負担軽減などの措置。
■【オバマケアの撤廃】
ご存知、オバマケアを撤廃して新しい制度に変更する。 → 署名済み
■【育児支援と介護支援法】
こちらも同じく割愛。 育児と介護支援プログラム関係。
■【不法移民防止法】
メキシコに壁を建設する。 → 一応署名済み。
壁の負担はメキシコ。不法に入国したら2年の禁錮刑など。ビザ期限経過後にも滞在した場合にもペナルティ。
米国人労働者を優先するため。
■【地域の安全回復法】
こちらも米国内の治安維持に関する法案。割愛。
■【国家安全保障回復法】
軍の債権、防衛費削減を停止。軍事費を増やす。
重要なインフラをサイバー攻撃から守るため。
■【ワシントンにおける腐敗の一掃法】
おまけ?政治の腐敗を一掃すると約束した内容。
以上になります。
100日行動計画といったこれほど膨大の内容を実際に行動できるわけ無いと世間では思われておりましたが、想像を遥かに超えるスピードで対応されております。
メディアの反発する間もなく、次々と行動に移していることは返って良い結果にもなるかもしれません。
そして、意外にも世界各国がネガティブに受け止めてしまう内容はほとんど先出しされてしまったように思えます。
NAFTA再交渉、TPP離脱、メキシコへの壁建設、イスラム国籍入国の禁止など。残るは中国の為替操作国認定と国境税の内容などでしょうか。
逆に赤字で記載した内容は、金融市場にとってはポジティブな材料しかありません。
思い切った財政出動の内容ばかりです。まだ具体的な内容になってくるのは一般教書や特別教書などのタイミングなのでしょうか。
それにしても強烈な経済対策の内容になっております。
特にオールドエコノミーに属するエネルギー関連の経済対策が目立ちます。
公共投資も一部ありといった、実施すれば建設や人件費を多額に使える内容ばかりになっております。
最終的にそれが無駄な公共投資になる確率のほうが高いかもしれませんが、最初の起爆剤になることは確かです。
特にダウ指数は買いになりそうです。銀行株と石油化学銘柄はまだ高値を狙うでしょう。
また法人税の減税は、工場をもつ製造業などに恩恵がありそうですが、グーグルやフェイスブックなどの空間ビジネスを利用する企業も、ただ単に減税になりますから、経済対策の対象になっていなくても、恩恵を受けそうです。
この場合は、S&Pはもちろん、ナスダックも好影響を受けるはずです。
逆に香港やシンガポールに本社を置く企業にとっては懸念材料な気がします。
USD/SGDなど少し注意しておくと良いかもしれませんね。米国の法人税減税が本当に大幅なものとなった場合には、変動が大きいかもしれません。
■方向感は一方通行ではない懸念。
とは言いつつも、やはり突拍子もないヘッドラインが飛んできます。
その度、乱高下の調整を小刻みにしながら、株価は上昇していくことが予想されます。
その影でじわじわ上昇すると予想しているのが新興国通貨や新興国株式です。
米国の状況に嫌気をさした資本が一部、これらの市場に回帰していくように思えます。
その新興国というと、中国やロシア、ブラジル企業などが良いように思えます。
結局、米国が勢いづくと世界中が勢いづきます。
米国への投資は過剰投資か行き過ぎた株高傾向になりつつありますので、その場合はまた中国市場への資本回帰もある程度あるのではないかと個人的には考えております。
短期的な調整のタイミングで、米国→新興国→米国→新興国といった循環で、米国の株式市場や通貨が下がるタイミングで新興国の通貨や株式市場が上昇するといった、チャート形状が定期的にやってくるのではないでしょうか。